
最近TikTokのおすすめ欄を眺めていると、昭和の香り漂うシティポップが流れてくること、ありませんか?
「イッツソ〜♪」のフレーズで始まるあの曲こそ、1981年生まれの名曲「フライディ・チャイナタウン」。
40年以上前にリリースされたこの曲が、いま世界中の若者たちに愛され、TikTokのハッシュタグ再生回数は累計1,600万回以上にまで膨れ上がっています。
海外のクラブで2000人が大合唱し、昭和を知らないZ世代までも口ずさむ──そんな不思議なブームの正体はどこにあるのでしょうか?
本記事では、デビュー曲で一躍脚光を浴びた泰葉の魅力から、アニメを巻き込んだミーム化まで、余すことなくご紹介します。気になったあなたもこの記事で「フライディ・チャイナタウン」の世界へ飛び込んでみませんか?



Fly‑day Chinatownとは?
1981年にデビューしたシンガーソングライター泰葉が世に放ったデビュー曲「フライディ・チャイナタウン」(英題 Fly‑day Chinatown)は、いわゆる“シティポップ”の代表曲のひとつです。
作詞は荒木とよひさ、作曲は海老名泰葉、編曲は井上鑑が手掛け、彼女のデビュー・アルバム『TRANSIT』に収録されました。
1981年9月21日にポリドール・レコードからシングルとしてリリースされ、B面には「モーニング・デート」が収録されています。イントロのベースラインと<It’s So Fly-Day Fly-Day CHINA TOWN>というキャッチーなサビが特徴で、夜の横浜中華街を舞台にした歌詞が都会的なムードを醸し出します。
昭和の終わりごろにリリースされたこの曲は、当時そこまで大ヒットしたわけではありません。にもかかわらず、2020年代に入ってから海外でシティポップブームが起こり、TikTokやYouTubeを通じて再評価されました。特に2021年末以降、同曲のリミックスやカバーがネット上でバズり、若者たちの間で「#フライディ・チャイナタウン」が広まっています。
泰葉ってどんな人?
泰葉(やすは、本名:海老名泰葉)は1961年生まれのシンガーソングライターで、落語家一家・海老名家の次女として知られています。
幼少期からクラシック音楽を学び、台東区立根岸小学校、忍岡中学校、東京都立芸術高等学校を経て音大を目指しましたが進学には失敗。その後ジャズやポピュラー音楽へ方向転換し、1981年にポリドールから「フライディ・チャイナタウン」でデビューしました。当時は新人として注目され、松本伊代や少女隊への楽曲提供も行っています。
泰葉は同年発売のシングル「ブルーナイト・ブルー」(1982年)などを発表後、1988年に落語家春風亭小朝と結婚し芸能界を一時引退。以降はタレントやプロデューサー、ブログ運営など多岐にわたる活動を続けています。近年は私生活やバラエティ出演で注目されることが多かったものの、今回のシティポップブームによって“歌手・泰葉”として再評価される機会が増えています。
多数のカバーとリミックス
歌手のMs.OOJAやBENIなど、多くのアーティストがこの曲をカバーしており、夜韻(ナイトテンポ)によるリミックスは2023年に7インチアナログ盤として発売されました。
アルバム再発とバイラルチャート
シティポップブームを受けて、泰葉のデビューアルバム『TRANSIT』は2022年6月に再発され、Spotifyの「Daily Viral Songs」(Japan)で2位を記録しました。バイラルチャート上位には同じく1980年代の楽曲「Running Up That Hill」(ケイト・ブッシュ)が並んでおり、80年代リバイバルブームの象徴となっています。
シティポップ全体の流れ
ラジオ関西のカルチャー記事では、音楽評論家中将タカノリが「フライディ・チャイナタウン」や松原みきの「真夜中のドア」を例に挙げ、シティポップが世界中で熱烈に支持されていることを紹介しています。
彼はこのジャンルが1970年代後半に山下達郎やシュガーベイブらによって形成され、今の若い世代にも“お洒落で洗練された音楽”として響いていると説明しています。
💡オリジナル・リリックビデオがついに公開!
楽曲の正式な音源がなかなか配信されていなかったため、当初はリミックスやカバー動画ばかりが流通していました。しかし2022年5月25日、ユニバーサルミュージックから原曲がデジタル配信され、同時にレトロなイラストを用いた公式リリックビデオが公開されます。リルックビデオは公開から約2カ月弱で78万再生を突破したと報じられています。その後も再生数は伸び続け、2026年現在では100万再生超えが当たり前の人気動画となりました。
なぜバズった?流行の理由を考察
では、なぜ40年以上前の楽曲が今になって若者の心をつかんだのでしょうか? いくつかの要因が考えられます。
- シティポップの世界的ブーム
2020年代に入り、竹内まりやの「Plastic Love」や松原みきの「真夜中のドア」の再評価とともに、日本の70〜80年代ポップスを“City Pop”として楽しむ潮流が海外で起こりました。音楽評論家の中将タカノリも「フライディ・チャイナタウン」はLAのクラブで数千人が合唱するほど浸透していると述べ、10代の若者が自転車に乗りながら口ずさむほど広まっていると語っています。 - レトロなのに新鮮なグルーヴ
Aki Ito氏が指摘するように、泰葉の歌い方や音の置き方が独特で、わずかな空白やビブラートで独自のグルーヴを生み出しています。この“ヌケ感”が現代のダンスミュージックとも相性が良く、DJナイトテンポによるリミックスやクラブプレイでも映えるのです。 - アニメ・ミーム化
TikTokでは音源を低くピッチダウンしてアニメ『HUNTER×HUNTER』のキャラクター、キルア・ゾルディックの声に似せたパロディが流行しました。このような二次創作的な使われ方が若いユーザーの興味を引き、さらに再生数を押し上げました。 - デジタル配信・リリースのタイミング
原曲は長らくデジタル配信されていなかったため、TikTokユーザーはリミックスやカバー音源を使うしかありませんでした。2022年5月に公式音源が配信されたことで、楽曲の検索やシェアがしやすくなり、Spotifyのバイラルチャートでは日本2位を獲得します。レコードやCDの再発も話題になりました。
再生回数が多い動画
TikTokでこの音源がバズる中、多くの人気投稿が生まれました。
SNS上で#Fly‑day Chinatownのハッシュタグを検索すれば、こうしたバズった動画の数々をチェックできます。ここではその一部をご紹介します!
話題の映画公式アカウントが万バズ! 映画『スペシャルズ』公式 (@eiga_specials)
今日好きメンバーも! 葛西杏也菜(@ayana._.07)
プロ麻雀士も! 岡田紗佳(@sayaka_okada)
JKも踊っちゃいます 福山綾乃 (@axno._.fff)
まとめ
TikTokでバズっている「Fly‑day Chinatown」は、1981年に生まれたシティポップの名曲です。
DJナイトテンポによるリミックスがLAのクラブ動画として拡散されたこと、オフィシャル音源の解禁とリリックビデオの公開、TikTokでのハッシュタグ拡散やアニメを使ったミーム化などが複合的に作用し、40年ぶりに大きなスポットライトが当たりました。昭和歌謡のレトロな魅力と現代的な感性が交差するこの曲は、今後もカバーやリミックスを通じて幅広い世代に広がっていくでしょう。
SNSで見かけたらぜひ原曲やリミックスを聴いてみてください。きっとあなたも「イッツソ~♪」と口ずさんでしまうはずです。
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