スクロールできます

鼻ニキビの原因と対策を医師が解説!やっちゃダメな事と対策・予防法など

Girl with acne problem on white background

鼻にポツンとニキビができると、とても目立つし気になりますよね。特に鼻ニキビは写真や鏡でも目につくため、早く治したいと思う人も多いはず。この記事では10代~20代前半の方向けに、ニキビ(鼻)にフォーカスして原因や対処法をカジュアルに解説します。テンポ良く読めるようにポイントを絞り、やってはいけないNG行動や効果的なケア方法、予防のコツまで紹介します。医学的エビデンスも交えた内容なので信頼性も◎です。それでは、鼻ニキビの悩みにさっそく答えていきましょう!

  • 鼻ニキビの原因は?
  • 鼻ニキビができた時のNG事項
  • 鼻ニキビの予防方法は?
  • 鼻ニキビに有効な成分は?

…など、気になる疑問をすべて解決!

鼻ニキビに悩んでいる人は最後まで読んでみてください。

目次
この記事の執筆者は...

佐久平エンゼルクリニック 院長
政井 哲兵 医師

鹿児島大学医学部卒業後、東京都立府中病院、日本赤十字社医療センター、佐久市立保浅間病院、高崎ARTクリニックを経て佐久平エンゼルクリニックを開業。
婦人科併設の美容皮膚科として全世代の女性の美容と健康をトータルにサポートしている。

日本生殖医学会認定 生殖医療専門医
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医

画像
INFOMATION

鼻にできるニキビの原因は?

鼻は顔の中でも皮脂腺が多く、毛穴も深くて皮脂が詰まりやすい部位です。そのため過剰な皮脂と毛穴詰まりが主な原因となり、ニキビ(面皰)が発生します​。具体的には以下のような要因が鼻ニキビを招きます。

  • 過剰な皮脂分泌
  • 毛穴の詰まり(角栓)
  • 生活習慣やストレス
  • 物理的刺激

過剰な皮脂分泌

ホルモンバランスの影響で皮脂がたくさん出ると毛穴が詰まりやすくなります。特に思春期は男性ホルモンの作用で皮脂分泌が盛んなため、鼻や額(いわゆるTゾーン)にニキビができやすいです。女性も生理前後のホルモン変化で皮脂が増え、鼻にニキビができることがあります。

毛穴の詰まり(角栓)

古い角質がたまり毛穴を塞ぐと、内部に皮脂がこもって白ニキビ黒ニキビが生じます。鼻の毛穴は他の部位より大きく深いので、角栓ができやすい点も鼻ニキビが目立つ一因です​。角栓を放置するとアクネ菌が増殖し、炎症を起こして赤ニキビへ進行します。

生活習慣やストレス

睡眠不足やストレスはホルモンバランスを乱し皮脂分泌を増加させます。また食生活の乱れ(糖質や脂質の過剰摂取)も皮脂の材料を増やし、ニキビ悪化に繋がることがあります。実際、乳製品や高GI食品の多い食事はニキビ発症リスクを高めるとの報告もあり​、日頃の食事バランスも鼻ニキビに影響します。

物理的刺激

マスクの長時間着用、頻繁な鼻かみ、無意識に鼻を触るクセなど、摩擦や圧迫といった物理刺激もニキビの原因になりえます​。たとえば花粉症や風邪で何度も鼻をかむと、その刺激で毛穴周りの皮膚が傷つき炎症を起こしやすくなります。また汚れた手で触ると雑菌が入り悪化しがちです。

こうした要因が重なることで鼻にニキビができてしまいます。「最近寝不足続きで鼻にニキビが…」という場合は生活リズムを見直すなど、心当たりのある原因から改善してみましょう。

鼻ニキビができた時にやってはいけないこと

鼻にニキビができるとつい焦ってしまいますが、以下のようなNG行動は悪化の元なので要注意です。

NG行動チェックリスト

NG行動なぜダメなの?
指や爪でつぶす炎症が悪化し、ニキビ跡になるリスクが高い
つい触ってしまう雑菌が入って炎症悪化。無意識でも触らない工夫が必要
ゴシゴシ洗顔・洗いすぎ肌バリアを壊し、逆に皮脂分泌が増える
スクラブや強いピーリングを使う刺激が強すぎて赤みや乾燥を招き、治りを遅くする
厚化粧で隠すファンデが毛穴を塞ぎ、ニキビがさらに悪化する可能性あり
ステロイドなど強い薬を自己判断で使う一時的に炎症は抑えられるが、かえって悪化することもある

鼻にニキビができた時の対策

では、鼻ニキビができてしまった場合はどう対処すれば良いのでしょうか。ポイントは炎症を抑えつつ、清潔に保ち、自然に治るのを促すことです。具体的な対策をいくつかご紹介します。

  • やさしく洗顔する
  • 市販のニキビ治療薬を使う
  • ニキビパッチで保護する
  • 患部を冷やす

やさしく洗顔する

朝晩2回、低刺激の洗顔料で顔全体をやさしく洗いましょう。皮脂や汚れを落とすことで悪化を防ぎますが、洗いすぎは禁物です。熱すぎるお湯は避け、人肌程度のぬるま湯で洗い流します。洗顔後はアルコールフリーの化粧水などでしっかり保湿し、肌のバリア機能を守りましょう。

市販のニキビ治療薬を使う

初期の赤ニキビや白ニキビなら、ドラッグストアで買える市販のアクネ治療薬を塗って様子を見るのも有効です。日本では過酸化ベンゾイル(BPO)アダパレン配合の塗り薬が薬局で購入可能です(ベンザブロック®やディフェリン®ゲル等)。患部に適量を塗布すると、薬の抗菌作用や角質除去作用で治りが早まります。説明書をよく読み、用法用量を守って使用しましょう。

ニキビパッチで保護する

透明のシール状ニキビパッチ(ハイドロコロイド絆創膏)を貼るのもおすすめです。患部を物理刺激や雑菌から保護し、余分な皮脂や膿を吸収してくれます。実際、ハイドロコロイドのパッチを貼った方が何も貼らないより炎症が早く引いたという報告もあります​。目立つ鼻ニキビでも、パッチを貼ればメイクで隠しやすくなる利点もあります。

患部を冷やす

赤く腫れて痛む場合は、清潔な保冷剤や冷たい濡れタオルで軽く冷やすと炎症が和らぎます。逆に白ニキビで膿が溜まっている状態なら、蒸しタオルなどで軽く温めると膿が出やすくなることもあります。ただし強い熱や冷却は刺激となるので、心地よい程度の温度で短時間にとどめてください。

症状が重い時は皮膚科へ

痛みが強い黄ニキビ(膿疱)になってしまった場合や、繰り返しできる頑固な鼻ニキビは皮膚科受診も検討しましょう。医師は膿を排出する処置や、抗生物質の塗り薬・飲み薬、場合によっては面皰圧出やステロイド局所注射など専門治療を行います。早めに適切な治療を受ければ跡を残さず治せる可能性が高まります。

鼻ニキビができやすいときの体の不調とは?

鼻ニキビは内側の不調のサインであることもあります。外側からのスキンケアと、内側の生活習慣ケアをセットで考えることが、つるつる鼻への近道です!

✅ 1. 肝臓の疲れ・解毒機能の低下

  • 東洋医学の考え方では「鼻のニキビは肝機能のサイン」とも言われることがあります。
  • 飲酒や脂っこい食事、薬剤の影響で肝臓が疲れてくると、体の“毒素”がうまく処理されず肌荒れとして現れることも。

✅ 2. 消化器系(特に胃)の不調

  • 暴飲暴食や早食い、冷たい飲み物の取りすぎで胃に負担がかかると、鼻まわりにニキビが出やすくなることも。
  • これは「鼻=消化器のサイン」という古くからの見立てがベースになっていますが、食生活の乱れと肌トラブルの因果関係は近年の研究でも指摘されています。

✅ 3. 血行不良・冷え性

  • 血の巡りが悪いと、毛穴の代謝も落ちて老廃物や皮脂が詰まりやすくなります。
  • とくに鼻先は末端なので冷えの影響を受けやすく、赤く腫れたようなニキビができることも。

鼻ニキビの予防方法とは?

できてしまったニキビの対処も大事ですが、そもそも鼻ニキビを作らないように予防することが何より重要です。日頃から次のポイントに気を付けておくと、鼻のポツポツに悩まされにくくなります。

規則正しい生活と十分な睡眠

不規則な生活はホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を過剰にします。できるだけ夜更かしを避けて7~8時間の睡眠をとり、肌の新陳代謝が整うようにしましょう。適度な運動も血行を良くしストレス解消に繋がるのでおすすめです。睡眠中に肌は修復されるため、「寝る子は肌育つ」です!

バランスの良い食事

毎日の食事内容もお肌に映し出されます。野菜や果物、良質なたんぱく質を意識して摂り、皮脂の元となる脂質や糖分の過剰摂取は控えめに。特に牛乳など乳製品高GI食品(甘い飲食物・白米や白パンなど)はニキビ悪化に関与する可能性が指摘されています​。水分も十分に補給し、老廃物を体外に出すことも大切です。

正しいスキンケア

肌を常に清潔かつ潤った状態に保つことで毛穴詰まりを防ぎましょう。朝晩の洗顔は先述の通り優しく行い、洗顔後は化粧水・乳液で適度に保湿します。鼻の皮脂が気になる人でも保湿は必須です(乾燥は皮脂分泌を促すため)。油とり紙の使いすぎも逆効果なので控えめに。週に1~2回程度、毛穴の角栓対策にクレイパックや酵素洗顔を取り入れるのも◎です。

肌に触れるものを清潔に

毎日使うタオルや枕カバー、マスクなど、肌に触れるものは清潔に保ちましょう。汚れたマスクの長時間使用は菌が繁殖しやすく、摩擦も加わって“マスクネ”(マスクによるニキビ)の原因になります。使い捨てマスクはこまめに交換し、布マスクなら毎日洗濯を。スマホの画面も意外と汚れているので、顔に当てる際に清潔にしておくと安心です。

これらを習慣づければ、「最近鼻にニキビができにくくなったかも!」と実感できるはずです。美肌の基本は毎日の積み重ね。できることから取り入れてみてくださいね。

鼻ニキビに有効な成分は?

市販のニキビケア製品や皮膚科処方薬には様々な有効成分が含まれていますが、特に信頼性が高く効果が認められている成分として以下が挙げられます。

成分名おすすめ度主な効果効果の出始め目安特徴・補足
過酸化ベンゾイル(BPO)★★★★★殺菌・角質除去・炎症抑制1〜2週間アクネ菌を殺菌+角質ケア。炎症性ニキビの基本治療。刺激に注意。
アダパレン(レチノイド★★★★★毛穴詰まりの改善・炎症抑制4〜12週間ニキビの初期段階から有効。ディフェリン®は市販もあり。
サリチル酸(BHA)★★★★☆角栓除去・毛穴詰まりケア2〜4週間ピーリング作用あり。軽度〜中等度のニキビに◎。
ナイアシンアミド★★★★☆炎症抑制・皮脂抑制・色素沈着改善4〜8週間肌にやさしくビタミン系。化粧水や美容液にも多く配合。
アゼライン酸★★★★☆抗菌・角質剥離・美白4〜12週間妊娠中OK。敏感肌でも使いやすいが日本では入手やや難。

成分の選び方のポイント

よくあるQ&A

鼻ニキビは潰してもいいの?

基本的には潰さない方が良いです。潰すと一時的に膿は出せますが、同時に皮膚組織が傷つきニキビ跡になるリスクが高まります。また鼻周辺は「顔の危険三角形」と呼ばれる部位で、化膿が深部に広がると重い感染症を起こす可能性もわずかながらあります。どうしても白く芯が見えて気になる場合は、自分で潰さず皮膚科で清潔な器具を使って処置してもらいましょう。

鼻の毛穴パックで角栓を取れば鼻ニキビも減りますか?

毛穴パック(鼻パック)は角栓を一時的に除去できますが、やりすぎは禁物です。確かに黒ずみが取れて毛穴はスッキリしますが、毛穴周りの角質まで剥がれてしまい、かえって皮脂の分泌が活発になったり刺激で炎症を起こすことがあります。ニキビ予防目的なら頻度は月1~2回程度にとどめ、普段はマイルドな洗顔や保湿で角質ケアする方が安全です。どうしても使いたい場合は、使用後にしっかり保湿して毛穴を引き締めるケアをしてください。

鼻の中にニキビができて痛いです。どうすればいい?

鼻の穴の中や鼻の穴の入り口付近にできるニキビ(正確には毛嚢炎のことが多い)は、とても痛いですよね。原因は鼻毛の処理で毛穴が傷ついたり、鼻を頻繁にかむことで菌が入り炎症を起こすケースが多いです。鼻の中はデリケートなので、市販薬は使わず患部を清潔に保つ程度にしましょう。お風呂上がりに綿棒で優しく洗浄し、薄くワセリンを塗って保湿すると症状が和らぐことがあります。痛みや腫れが強い場合は皮膚科で抗生物質の軟膏を処方してもらえます。我慢せず専門医に相談しましょう。

まとめ

鼻ニキビは皮脂の多い鼻だからこそできやすい厄介なものですが、原因を知って正しく対処すれば必ず改善できます。 やってはいけないこと(潰す・触る等)を避け、紹介したケア方法を実践しながら根気強く治していきましょう。生活習慣の見直しやスキンケアの工夫で予防も可能です。科学的に効果の認められた有効成分も味方につけて、もう鼻ニキビに悩まない健やかな肌を目指してください。専門家の知見を取り入れつつ、自分の肌と向き合うことが大切です。

ニキビに負けないツルスベ鼻はきっと取り戻せます。さっそく今日からできることを始めて、コンプレックスにさよならしましょう!さあ、自信を持って行動に移してみてくださいね。

📖参考文献一覧

  • Acne vulgaris: pathogenesis and treatment(2005 Thiboutot D. et al.)
  • The effect of diet on acne: a review of the evidence(2010 Smith RN et al.)
  • Topical retinoids in acne treatment: Review and update(2012 Zasada M, Budzisz E)
  • A randomized trial comparing the effectiveness of 2.5%, 5%, and 10% benzoyl peroxide in the treatment of acne vulgaris(1991 Mills OH et al.)
  • The effectiveness of 5% niacinamide versus 2% clindamycin in the treatment of acne vulgaris(1995 Shalita AR et al.)
  • Azelaic acid: evidence-based update on clinical efficacy and safety(2013 Draelos ZD)
  • Guidelines of care for the management of acne vulgaris(2016 Zaenglein AL et al. / American Academy of Dermatology)
  • Efficacy of hydrocolloid dressing for acne: A randomized controlled trial(2021 Kang JS et al.)
  • Comparative evaluation of salicylic acid and tretinoin peels in treatment of acne vulgaris(2010 Kaur M et al.)
  • URLをコピーしました!
目次